
「SNSやECに力を入れてるのに、売上が伸びない…」
もし、あなたがそんなふうに感じているなら、それはオムニチャネル戦略の設計が曖昧になっているのかもしれません。
実店舗とデジタルをつなげるオムニチャネル戦略は、今やどの業界でも無視できない成長ドライバーです。しかし、オムニチャネルという言葉が先行し、具体的な戦略や事例を知らないまま導入してしまう企業も少なくありません。
そこで今回は、リアルとデジタルをうまく融合させて成果を出している成功企業のオムニチャネル事例を紹介します。あなたのビジネスにもすぐに応用できるヒントが満載です。
Contents
オムニチャネル戦略とは何か?その本質を再確認しよう
そもそもオムニチャネル戦略とは、「店舗・EC・SNS・アプリなど、複数のチャネルを一貫して活用し、顧客にシームレスな体験を提供する取り組み」を指します。単なるチャネルの“使い分け”ではなく、顧客中心にチャネルを連動させる戦略が必要なのです。
たとえば、店舗で試着→ECで購入→アプリで配送追跡→LINEでアフターフォロー、という一連の流れがスムーズにつながっている状態が理想です。
ただし、このオムニチャネル戦略を実現するには、企業全体での情報共有や業務設計の見直しが欠かせません。それでは、具体的な成功事例を見ていきましょう。
成功企業のオムニチャネル戦略事例5選
ユニクロ|アプリ連携と在庫情報の可視化
ユニクロのオムニチャネル戦略は非常に洗練されています。
アプリを軸に、ECと実店舗の在庫情報をリアルタイムで確認できる仕組みを構築。
店舗でサイズがなければアプリから注文可能で、顧客はストレスなく商品を手に入れられるようになっています。
この事例は、「アプリ×実店舗」の連携で顧客体験を向上させた好例です。
無印良品|SNS発信と店舗体験の融合
無印は、InstagramやXで店舗スタッフが商品紹介をするというオムニチャネル戦略を展開しています。
SNSの“生活感ある発信”がリアル店舗での購買行動を後押しする流れを作り出しています。
また、公式アプリでも買い物メモやお気に入り機能を提供し、デジタルとリアルを自然につなげる設計になっています。
ワークマン|動画メディアで認知→来店へ導く戦略
ワークマンは、YouTubeチャンネルを活用し、現場のリアルな商品レビューを配信しています。
視聴者がそのまま「試してみたい」と思い、近隣店舗への来店に繋がる導線が戦略的に設計されているのです。
このオムニチャネル事例は、認知から来店への導線作りに悩んでいる企業にとって大いに参考になります。
資生堂|接客の一貫性を保つオムニチャネル接点
資生堂では、ECサイトでも実店舗でも、同じビューティーコンサルタントが担当する体制を導入しています。
オンライン上でもパーソナルなアドバイスが可能なため、どこで接点を持っても一貫性のあるブランド体験を提供できています。
ローソン|LINEと連動したクーポン配信施策
ローソンの事例も見逃せません。LINEアカウントを通じて、期間限定のクーポンやキャンペーン情報を配信。
これにより、デジタル上の接点から実店舗への来店行動を促進する戦略が成立しています。
LINEの開封率の高さを活かした、非常に効果的なオムニチャネル戦略といえるでしょう。
オムニチャネル戦略を導入する際の3つのポイント
①顧客目線でチャネルを設計する
オムニチャネル戦略を考えるとき、出発点は「企業側の都合」ではなく「顧客がどう動くか」です。
購入の流れ、検討のタイミング、情報収集のチャネルを分析し、自然な流れになるよう戦略設計を行うことが大切です。
②データを一元管理して可視化する
リアルとデジタルをつなぐには、購買・閲覧・来店などのデータを一つに統合する必要があります。
CRMやMAツールを使って、オムニチャネル戦略に活かせる顧客理解を深めましょう。
③スタッフ教育と業務設計の見直しを同時に行う
実店舗のスタッフがデジタル施策に疎い場合、オムニチャネル戦略は機能しません。
現場とマーケティング部門の連携を密にし、「店舗もデジタルの一部」という意識改革を進めることが重要です。
まとめ|リアルとデジタルの境界を超えた時、売上は伸びる
今回紹介したようなオムニチャネル戦略の事例は、どれも「リアルとデジタルを別物として扱っていない」という点で共通しています。
むしろ、両者を統合して“顧客が迷わない体験”を作ることに成功しているのです。
あなたのビジネスでも、今日からできることは必ずあります。
たとえば、ECサイトで見た商品を店舗でも確認できるようにしたり、SNSで発信した情報を店舗のPOPに連動させたり──。
小さなところからでも構いません。オムニチャネル戦略を意識しながら改善していくことで、顧客との接点はより強く、売上にもつながるはずです。

