契約書なしで始めるのはNG?インフルエンサー施策の“落とし穴”と正しい手順

インフルエンサー施策、契約書なしで本当に大丈夫?

「インフルエンサーとやり取りをしているけど、契約書って必要なのかな?」
あなたも一度はそう感じたことがあるのではないでしょうか。

実際、SNSを活用したPRの現場では、DMやメールのやり取りだけで投稿依頼を進めてしまうケースがまだまだ多いです。
しかし、インフルエンサーとの間に契約書を交わさないことは、企業にとって大きなリスクを抱える行為でもあります。

たとえば、投稿内容のトラブル、著作権の扱い、報酬支払いのズレなど…。
一見スムーズに見えるインフルエンサー施策も、後々「そんなつもりじゃなかった」と揉める原因になりかねません。

そこで今回は、ネットマーケティングの専門家の視点から、契約書なしで始める危険性と、信頼関係を保ちながら安全に進めるための正しい手順を解説します。


インフルエンサー施策に契約書が必要な3つの理由

1. トラブルの予防は“契約書”から始まる

インフルエンサーとの協業は、企業のブランド価値を左右する重要な施策です。
だからこそ、口約束だけで進めるのは避けるべきです。

契約書には、報酬額、納期、投稿内容、修正対応、著作権の帰属など、お互いの責任範囲を明確にする項目を記載します。
これにより、万が一のトラブルが起きた際も、「言った・言わない」の争いを防ぐことができます。

また、SNS広告ガイドラインやステマ規制など、法的観点からも契約書の存在は重要です。
契約書があることで、企業が透明性を持ってマーケティングを行っていると示すことができます。


2. ステマ規制対応にも契約書が有効

2023年以降、ステマ(ステルスマーケティング)に対する法的な取り締まりが強化されました。
この流れを受けて、2025年現在では**インフルエンサーとの契約書に「PR表記」「広告表示のルール」**を明記するのが当たり前になりつつあります。

契約書でルールを決めておくことで、「PR表記を忘れて炎上した」などのトラブルを防ぎ、企業としてのコンプライアンスも守れます。
さらに、法令遵守を意識している企業であることが、ブランド信頼の強化にもつながります。


3. 著作権・二次利用のトラブルを防ぐ

インフルエンサーが撮影した写真や動画は、基本的にはインフルエンサー本人の著作物です。
契約書がない場合、企業がその素材を広告や自社サイトで再利用すると、著作権侵害になるリスクがあります。

したがって、契約書には「投稿素材の二次利用範囲」や「使用期間」を明確に定めておくことが不可欠です。
これにより、安心してマーケティング素材として再活用できるようになります。


契約書なしで起きやすい“落とし穴”とは?

契約書を交わさずに始めた結果、実際に起きたトラブルには次のような例があります。

  • 納品された写真が他社の商品と被っていた
  • 投稿前に確認できず、誤った情報が拡散された
  • 報酬を支払ったのに投稿されなかった
  • 投稿が炎上してブランドイメージが傷ついた

どれも「ちょっとした認識のズレ」から起こるものです。
しかし、契約書があれば合意内容の裏付けがあり、冷静に対応できます。


安全にインフルエンサー施策を進める正しい手順

1. 契約前に条件をすり合わせる

まずは、投稿内容・納期・報酬・修正対応などを丁寧にすり合わせましょう。
その内容をもとに、インフルエンサー契約書を作成します。

特にSNS投稿の文言や画像のトーンなど、ブランドの方向性を共有しておくことが大切です。


2. 契約書を交わすタイミングを逃さない

契約書は「撮影前」に必ず交わしましょう。
口頭での合意後に契約書を後出しにすると、インフルエンサー側が不信感を抱くこともあります。

スムーズに進めるためには、契約書をテンプレート化しておき、プロジェクトごとに調整できる体制を整えるのがおすすめです。


3. 投稿後のフォローアップも忘れずに

契約書の締結が終わっても、関係構築はそこからです。
投稿後の効果測定やレポート共有を通じて、インフルエンサーとの信頼関係を深めていきましょう。

その積み重ねが、次回以降のスムーズなコラボや長期的なパートナーシップにつながります。


“信頼”を守るためのインフルエンサー契約書

インフルエンサー施策は、ブランドの顔を担う重要なマーケティング手法です。
しかし、契約書なしで始めることは、あなたの会社にとってリスク以外の何ものでもありません。

明確な契約書を交わすことで、トラブルを防ぎ、双方の信頼を築くことができます。
結果的に、それがインフルエンサーとの良好な関係を生み、継続的な成功へとつながるのです。

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